酒造りについて|有限会社 北庄司酒造店|佳い酒を少しずつ|酒蔵

酒造りについてABOUT SAKE BREWING

“佳い酒を少しずつ”の丹念な酒造り

酒造

先人達から受け継がれる歴史

大正十年、初代「北庄司貞造」が酒造業を創業して以来、戦時中の企業合同により泉州一帯の酒造家が合併した「泉酒造有限会社」時代を経て、昭和26年に二代目「北庄司芳文」が「有限会社北庄司酒造店」を設立。
平成四年より「北庄司貞久」が三代目を継承。
令和四年、「北庄司知之」が四代目に就任しました。
大正十年の創業以来、今日まで四代に渡り、先人たちの知恵と工夫の結晶であり文化でもある日本酒の製造に携わってきた歴史から、時代や生活様式の変化の中で、その折々好まれ流行った味もありましたが、北庄司酒造では「純粋で綺麗な味わいのお酒」をモットーに、変わる事のない理想の日本酒を目指しております。

泉佐野市

自然豊かな土壌、日本遺産認定の地、泉佐野市日根野

泉佐野市は背後に和泉山脈、そして静かな内海をひかえ、古代から九州・瀬戸内沿岸と畿内を結ぶ交通の要路として開け、“茅渟の国(ちぬのくに)”と称されて独自の生活圏を構成してまいりました。
肥沃な土壌と自然の湧水に恵まれた豊かな農耕の地で、稲作技術が向上した平安時代には“日根(野)荘”が営まれるようになります。今なお、その豊かな原風景を残す地域として「日本遺産」に登録され、その歴史と伝統は近世まで受け継がれ、良質の米を産出する米どころとして知られています。和泉山系の清水、豊かな土壌、泉佐野の酒造りは江戸時代から始まりました。

酒蔵祭り

地域に愛される酒蔵へ

「地酒」とは、その土地の気候、風土、食文化などと深い関わりを持ち、共に歩み育まれます。
私たちは今このことを再認識し、地域のあらゆる方々と深い絆を構築し、大切にし、連携して、泉州(大阪南部地域)の味となり、地域に愛される酒蔵になることを目指しております。

泉佐野市

3つの日本遺産を持つ泉佐野市

関西国際空港の対岸、日本の玄関口でもある泉佐野市は3つの日本遺産が存在します。令和元年(2019年)に『旅引付と二枚の絵図が伝えるまち-中世日根荘の風景-』が日本遺産に認定されました。

続く令和2年(2020)には、『荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間-北前船寄港地・船主集落-』として泉佐野市が追加認定され、『葛城修験 -里人とともに守り伝える修験道はじまりの地』も認定を受けました。

約800年前、摂政や関白になった上級貴族である五摂家(近衛家・九条家・鷹司家・二条家・一条家)の1つであった九条家の治める「日根荘」とよばれる荘園が有りました。その範囲は現在の市域すべてに及びます。

荘園時代以来の農村景観として今も残り、訪れる人を魅了します。室町時代、全国で12ヶ所に減少した九条家荘園の中でも、日根荘は重要であり、地域の営みの中で日々変化をしつつ、荘園の礎がしっかりと守られ続けています。

作業工程process

  • 01
    精米
    精米

    先ず酒造好適米を精米するところから始まります。
    私達の酒造りで使用する米は「山田錦」「五百万石」の2種。玄米の外層には、脂肪、タンパク質、灰分など、酒造りには不要なものが多く含まれ、これらは微生物の栄養となる為、微生物が増殖し、酒の味に悪い影響を与えます。そこでその表層部を、高性能な精米機を使い磨きます。その後、温度と水分調整のため3~4週間ほど貯蔵します。この貯蔵期間の事を「枯らし」と呼びます。

  • 02
    洗米・浸漬
    洗米・浸漬

    次に米を洗う作業に入ります。
    繊細な米粒だけに細心の注意をはらい、作業を行います。ストップウォッチを使用し、秒単位の時間を測りながら洗米・浸漬作業を行います。

  • 03
    蒸し
    蒸し

    程よく水分を含んだ米は、一晩寝かせ、翌朝、甑(こしき)という蒸し器で蒸します。良質の蒸米は、適度な硬さと弾力のある手触りで、手のひらで練り伸ばすと餅状になります。この方法で蒸米の良否が判定されます。蒸しあがると放冷し、温度計で計測しながら、人の体温程度になったら麹室に移動させます。

  • 04
    製麹(麹造り)
    製麹(麹造り)

    酒造りにおいて重要な作業のひとつです。美味い酒を造る鍵を握っているのが麹で、その出来映え次第で酒の質が左右されます。
    麹室の温度は35度前後に調整、湿度は高めに保ちます。蒸米を台の上に広げ、水分を蒸発させた後、種麹の植え付けを始めます。蒸米全体に振り掛かるように高くかかげて散らします。それが終わると蒸米を山にして布をかけ保温します。
    その後「床(とこ)」という木の箱に移し、麹カビの成長によって発生する炭酸ガスや湿気を除き、品温の上昇を防ぐ為、数時間おきに米を手で揉むようにしてほぐします。この作業を「切り返し」と呼びます。およそ3日間で麹が完成し、ようやく出麹です。

  • 05
    酛立て(酒母造り)
    酛立て(酒母造り)

    完成した麹はしばらく低温にて乾燥させ、その後、純粋に培養した酵母、蒸米、水と一緒に、容量の小さな酒母タンクに入れ、約1週間かけて酒母(もと)を造ります。

  • 06
    醪(もろみ)
    醪(もろみ)

    酒母に麹、蒸米、水を加えて醪を仕込みます。
    麹や蒸米は一度に加えず、「初添え」「踊り」「中添え」「留添え」と、日を追って三回に分け、菌たちの成長度合いによって、段々と増量していきます。これを「三段仕込み」と呼びます。

  • 07
    上槽
    上槽

    品種により、醪日数20日~30日経過後、発酵した醪を圧搾して、酒と酒粕に分ける作業に移ります。当蔵では、酒袋に入れて吊り下げ、じっくり時間をかけて搾る「袋吊り」と、圧搾機を使用するふたつの方法で搾ります。先ずここで「新酒 無濾過生原酒」の完成です。搾ったばかりの酒は、微妙に濁った黄金色をしており、冷たい場所に置いて滓を除き濾過します。
    その後、火入れ、ろ過を行い、半年から1年の貯蔵熟成期間を経て、火入れ瓶詰め作業を行い、日本酒の完成です。

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